事業で利益を残すには、主に①売上を増やす、②経費を減らすのどちらかがメインになります。
ここでは、経費を減らす方法について考えていきます。
まずは、経費削減にあたり、固定費と変動費を認識する必要があります。
業種によっては、ある経費を固定費として考えたり、変動費として考えたりする場合がありますので、注意が必要です。
経費を削減するためには、まずは自社の経費を知らなければなりません。直近年度の決算書だけでなく、過去3年間や5年間の経費を見返してみましょう。
経費ごとに見比べてみて、減らせそうな経費と減らしにくい経費を判別することが大切です。経費だからと言って何でもかんでも削減を進めることは避けましょう。
固定費と変動費
固定費
固定費とは、売上に関わらず、毎月ほぼ一定額が計上される経費です。売上がゼロでも経常的にかかる経費と考えれば分かりやすいかと思います。
支払家賃、人件費(役員報酬、給料手当、法定福利費、福利厚生費)、水道光熱費、広告宣伝費、保険料などが挙げられます。
変動費
変動費とは、売上により増減する経費です。売上により完全に比例するとは限りませんが、基本的に売上が増えれば変動費が増えますし、逆に売上が減れば変動費も減ります。
原材料費、仕入原価、外注費、販売手数料、燃料費などが挙げられます。
経費の削減方法
繰り返しになりますが、経費は何でもかんでも削減すれば良いというものではありません。必要な経費と不要な経費を見極める必要があります。
固定費以上の売上を計上しないと赤字決算となります。固定費の削減を進めることにより利益計上、赤字縮小につながります。しかし、固定費の削減は容易ではありません。
変動費の削減を無理やり進めると、取引先が離れていってしまう可能性があるので、こちらも簡単ではありません。
さて、経費削減を考えるときは、まずは固定費の削減を考えてみます。
事業規模からみて、事務所は妥当ですか?いっそのこと事務所移転も検討してみましょう。
いつも暇してる従業員はいませんか?別の仕事を任せるか、外注に委託して人員整理を考えてみましょう。
人がいないのに電気がついている部屋がありませんか?人感センサー付きの電灯にしても良いかもしれません。
売上が伸びそうにない無駄な広告をしていませんか?無駄な広告はやめるのも一つの手です。
分不相応な保険をかけていませんか?保険内容を見直してみましょう。
固定費を見直したあとに、変動費の見直しをしてみましょう。
変動費の場合は、大概は取引先が相手になります。原材料費や外注費などを交渉してみる価値はありますが、あまりに強気に出ると取引が無くなってしまったりする可能性があります。お互いが納得できる金額で折り合いがつくように努力しなければなりません。
無駄な仕入れや余剰在庫を避け、不良品などは出来る限り早めに処分してしまうことも有用です。
以上のように、経費削減は固定費・変動費に関わらず簡単ではありません。また、社長一人だけで取り組むのではなく、社員全員で経費削減の意識を持つことが大切です。
小さな積み重ねが、将来にわたって安定して利益を計上することに繋がる可能性もあります。
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